インタビュー

輝く女性たちの魅力に迫る

今を輝く女性たち~ 第3回 アクセサリーデザイナー 中山 佳奈さん

2021年7月13日

YOGINI

Re : meeは、女性の感性とアイデアが活かされ、活躍できる社会を目指します。ここでは、Re:mee が出会った“輝く大人の女性”を紹介していきます。自分らしく生きたいと願う女性たちに必要なコトは何か?インタビューを通して、ヒントを得たいと思います。

第3回目はyogaや瞑想をもっと身近に感じてもらえるきっかけを…という想いで生まれたアクセサリーVANI(ヴァーニ)のデザインと製作をおこない、またキャンドル作家のご主人との共同アトリエhaath(ハーツ)を奈良県生駒市で始められた中山佳奈さんにお話しを伺いました。


自然豊かなこの場所でhaathをオープンされたのには何か特別な理由があったのですか?

 当初、私たち夫婦は、ものを作るだけなので何処でもいいわ、と思っていました。ですが、それでもなかなか見つからず、子供が生まれる2か月前に、ここを見つけ、すぐに問い合わせをしました。内覧させてもらって、「こういう使い方ができたらいいな」というイメージが湧いてくる物件で、即決しました。コロナでイベント出店も減り、みんなで集まれる、会える場所がなくなってしまったから、そういった空間として、みんなに来てもらえる場所を頑張って作りました。
 haathは今年(2021年)の4月にオープンしましたが、この時期は庭が気持ちよく、桜が咲いて、葉っぱや花びらが揺れ落ちたり、毛虫が落ちてきたりするのを家の中から見ることができます。少し歩けば、川もあり、ホタルが見られて自然を楽しめる豊かな時間が持てます。大阪の難波まで20分くらいしかかからないのに、ここの環境は「あー帰ってきたぁー。」と思えるとても心地よい場所なんです。


アトリエhaath(ハーツ)の名前に込められた思いを聞かせてください

 haathはヒンディー語で「手」という意味です。アクセサリーのVani(ヴァーニ)、キャンドルのarati(アラティー)の作品はそれぞれ手作業でできたもの。そのほかにも手仕事でできたものを選んで置いたり、この場所をみんなと一緒にワークショップをしたりする空間にしたいと思い、それらすべてのキーワードになるのが「手」じゃないかなと思いました。haath(ハーツ)という響きも可愛いと思って名づけたんです。
 VANIという名前は私がヨガのシヴァナンダ・ティーチャーズトレーニングに行った時にもらったスピリチュアルネームで、サラスヴァティ(インドの女神・弁財天)の別名です。細かいことを言うとワーニーというのが正式な発音なんですけど、この綴りで誰もワーニーとは読めなくて。
 aratiは主人がキャンドルを作りだしてブランド名をつけるのに、私がなんとなくサンスクリット語の名前を付けたいと思って、インドの神聖な儀式の時に見ることができる美しい光、炎を思い出して「火の儀式」という意味のアラティーにしました。


ヨガを始めたきっかけは?

 2011年東日本大震災が起こりました。私は関西にいたけれど、様々な状況を見聞きしていく中で自分自身の意識や価値観が大きく変化していきました。その頃セレクトショップに勤めていましたが、高い洋服を売るということに対して、それは意味のあることなのかと疑問を感じるようになったんです。かっこいい洋服を売ってはいるけれど、私はなんの技術も持っていない。人を助ける力とか、人を勇気づける物というのを生み出していないし、それらを身につけてこなかったということに気づいてしまったんです。
 自分の体ひとつで誰かになにかできることを身につけたいと思っていた時に、好きだったヨガのことを思いだし、2012年にお店を休んで、インドのシヴァナンダアシュラムでティーチャーズトレーニングを受け、そこから私の生活の中でヨガが始まりました。ですが、教えるということに関しては、いつかできたらいいなと思っていたくらいで、ちゃんと習いたいとは思いましたが、ヨガの先生になりたいと思って行ったわけではなかったんです。でもそのコースを受けたことで、逆にティーチャーズトレーニングを受けないとヨガを教えられないとか、受けたから教えられるというものでもないということがわかりました。
 自分の中で食のこと、生活全般、大事にするべきものというのがすごく変わって、そこからは服の販売を続けながら、どこかに所属するとかではなく、個人で少しずつヨガを教えることになりました。 働いていたセレクトショップで、インドでヨガを習ってきた話や、ヨガアシュラム(寺院・ヨガ道場)の話、そこで習ってきたヨガの考え方などを話していると、関心を持ってくれたり、ヨガをやってみたかったという人が多く、デザイナーさんやお客さんを相手にそのお店でヨガを教えさせてもらうことになったりしました。時にはオーナーも一緒に参加することもあったり。ほそぼそと自分のペースで続けていました。


アクセサリーデザイナーになられた経緯を教えてください

 私は大学を卒業した後、商社で働きました。自分自身、バリバリ働くキャリアウーマンが向いていると思っていたんです。大型雑貨専門店にインテリアを卸す部門で働いていましたが、インテリアは好きだったのですが、半年ほど勤めた時に、自分の好きではないものを売るということにものすごく罪悪感みたいな感情が湧いてきて、それがどんどん大きなストレスになってしまって体を壊してしまいました。私じゃなくてもできる仕事です。だから、代わりがいない、たとえ世間に必要とされてなくても、私じゃなきゃならないことをしたいと思いました。
 そして商社を辞め、自分が好きなものを売りたいという思いで、長年ファンで通っていた神戸の服屋さんでアルバイトを始めました。そこは、自社ブランドの服を日本で作り、それらを自分たちのお店で売っている、一から十までをすべて自分たちでまかなっている会社でした。私はそこで作られている服が好きだったので、とてもワクワクして働き始めたのですが、中に入ってみると、絵にかいたようなアパレル体制の会社でした。想像以上の忙しさで、まともな食事さえ摂れず、体が悲鳴をあげていました。それでも好きなものに触れていられて、来てくれるお客さんが商品を大切に思ってくれて、私も心からお勧めできることが嬉しかったし楽しかった。社員になるお話もいただいたけれど、いろいろ考えて結局辞めることにしました。
 その後、たまたま通っていた別の服屋さんに声をかけていただき、そちらで10年以上アルバイトさせてもらいました。個人経営のセレクトショップでしたが、そこで経験したことが、自分にとってとても貴重なものとなりました。バイイングをさせてもらったり、パリの買い付けに同行したり、デザイナーと直接話す機会もいただき、ハイレベルなファッション関係者が目の前にたくさんいて、それを自分の手で売っているオーナーがいる。小さなお店だけど、大きな世界を見ることができました。憧れのアクセサリー作家とお話できたことは素晴らしい経験だったし、大いに刺激を受けました。そして、そこでいろいろな仕事をさせてもらいながら、中学生の頃から続けていたアクセサリー作りもし、自分自身で身につけたり、オーナーのご厚意でお店の片隅に置いてもらえるようになりました。でも、この頃は自分が作ったもので生計を立てるなんてあり得ない話だと思っていました。


ご自身のブランドVANIについて教えてください

 シヴァナンダアシュラムで出会った仲間が、インドで私が身につけていたアクセサリーを気に入ってくれ、ヨガに沿ったデザインでアクセサリーを作ってみてはとアドバイスをくれました。
 セレクトショップで働いて、素晴らしいものばかりを目にしてきたので、ショップの片隅に私のアクセサリーを置いてはもらいましたが、アクセサリー製作を本業にするつもりはまったくありませんでした。でも、そのことがきっかけで、その友人のスタジオで私の作ったものを置きたいと言ってくれました。元々ものを作ることが好きだったので、依頼されると喜んで製作に取り掛かりました。

 まず日本でも着けられる可愛いマーラーを作りたいと考えました。シヴァナンダアシュラムではマーラー(菩提樹の実などを繋いだインドの数珠)を必ず購入するように言われ、買いましたが、日本で着けられるものではないと思ったんです。もちろんマーラーを着けるのはファッションではないから、本来ファッション性はいらないし、それは邪道なことなんです。でもせっかく可愛いヨガウェアを着て、気持ちを高めてヨガをするんだったら、素敵なマーラーを着けて自分がヨーギニーだということを生活の中に取り入れてもいいんじゃないかなと思いました。そしてそれに付いているタッセルがイヤリングやピアスになったら可愛いと思って、ピアスも作りました。最初はそれだけのバリエーションでした。

 それがVANIのスタートです。2012年のことです。 そこから少しずつ興味を持ってくれる人が増え、私自身もイベントなどで出店してみたくなり少しずつ出店も始めていきました。


ご主人はずっとキャンドルを作っていらっしゃったのですか?

 最初に出会った時は彼もアパレル会社でプリントの企画をしていて、同じ業種だったことや、好きなものが似ていたりしたこともあり、意気投合したんだと思います。実は彼は結婚を機に仕事を辞めたんです。私もそうした方がいいと思い、決めました。
 彼は私が働いていた会社よりもさらに過酷な労働状況でした。若いのに視界が狭くなったり、貧血のような症状で倒れそうになって、モノにつかまりながら歩いてるって言い出して。結婚もすることだし、一度人生のプランを見直そうということになりました。

 私たちの結婚式は神前式で親族と友人数人だけで挙げることになっていたのですが、参列者にお渡しする引き出物を自分たちで作ったものにしようと決め、私が趣味で作っていたキャンドルを作ることにしました。相談して紅白のグラデーションのキャンドルを二人で作ることにしたんです。彼はそれを作った時とても楽しかったらしく、それをきっかけに、もっと作ってみたいと思ったようで、それからキャンドル作りを始めました。
 私は簡単な材料で、いわゆるグラデーションキャンドルというものしか作ったことがないのですが、いま彼がどういう素材で作っているかはまったく知りません。ずっとキャンドルのことを考えて、見たり触れたりしてますね。


お互いの作品に対して、アドバイスし合ったり見せあったりするんですか?

 絶対に見せ合いますね。良いアイデアが浮かんだ時も必ず伝えます。そうすると「もっとこうした方が良くない?」という意見が聞けるので。これは決まりごとにしているわけではないんですけど、率直な意見が聞けるし、自分では無理だと勝手に思い込んでいたことも「なるほどそうか」と思えるアイデアももらえる。お互いが良いご意見番という立場になっています。お互いの作品の作り方を知らないからこそ、聞くことができるフレッシュな意見というのがあって、相手に対して「なんでここ、こうせえへんの?」と、作り方がわかっていたら言えないような、わからないからこそ言える無茶な意見をぶつけたりすると、それがアイデアに繋がることも多かったりします。だから、お互いにちゃんと聞き合ってます。


子育てと制作をしながら、ヨガはどのように続けていますか?

 子育てがまさしくヨガという感じです。インドのヨガアシュラムで学んでいた時にある人が「私は子どもに怒ってばっかりでダメだ。ヨガもできていない」と言ったら、スワミ(僧侶・先生)が「子育てはヨガそのものだから、子育てをしていたらいいんだよ」とおっしゃったんです。その時私は子どもがいなかったから、へぇ~?くらいにしか思わなかったけど、いまはその言葉がよくわかります。子育てって2~3日寝れない日が続いたり、世話をしたところで誰も褒めてくれる訳ではないですし、イライラすることもたくさんあって、その度「ヨガは奉仕すること」という、そのスワミの言葉を思い出し、深呼吸しています。ヨガをやっていなかったら、ずっとイライラしていただろうなと思います。
 子供が1歳になるまでは自分たちで協力し合って子育てしようと、午前中は私の製作時間、午後は主人の製作時間という風に分担して交代制で過ごしました。主人は普段から「男性だから、女性だから」という考え方がなく、家事に関しても、彼はもともと料理がまったくできなかったけど、徐々にできるようになって、いまは私よりも上手です。私ができる家事で彼にできないものはありません。そうやってお互いが尊重しあい、助け合って作業時間を作ったり、作品に対してアドバイスし合ったりを続けています。 子どもというものがどういう存在か、目の前にいる人がどういう存在か、自分の子どもは「自分のもの」ではないということを知るのと知らないのでは、きっと私の子育ては大きく違っていただろうなと思います。身をもってアシュラムで教えてもらったことを復習している、体感しているという感じです。


いま興味のあることや今後の活動について聞かせください

 今年の4月にhaathがオープンしたばかりなのですが、実はそのオープンする一週間前にある物件に出会ったんです。生駒の山のてっぺんにある築90年のお家で、ボロボロではあるのですが、とても魅力的で一目惚れしてしまい、そこを購入することになりました。
 いまは週に3回くらい通いながら、今後どのように修繕していくかを考えています。雨が降れば雨漏りしていないかを確かめに行き、どんな風に窓を替え、残せるところはなるだけ残して、どうすれば素敵になるかを考える日々で、今は家作りとDIYのことで頭の中の大半の部分をそのパワーに注いでいるという感じです。元々DIYが好きで机を作るとか、棚を作るとかその程度のことはやっているのですが、天井の張替えまではさすがに自分たちではできないので、大工さんにお願いする部分もありますが、それ以外はなるべく自分たちの手で作り上げたいと思っています。
 でも今回はDIYとかのレベルではなくて、サグラダファミリアじゃないですが、ひとつを直したら終わり、ではなく、ずっと修繕をしながら暮らしていく家になると思います。そして大工さんが入るところも、全部自分の目でどうやって直しているのかを見ておきたいし、知りたいと思っています。床も天井も全部やり直さないといけないのですが、それが終わり次第入居して、住みながら壁などは自分たちの手で修繕していきたいと思っています。
 年内には引っ越す予定です。長年使われていなかったお家なので、まずは水回りだとかライフラインをどうするのかというレベルからのスタートなので大変です。トイレが使えて、電気が通っていてということが当たり前ではないんだなというのを実感しています。ひとつが解決したら、またそこから派生した問題が出てくるという繰り返しです。でもまた新しい良いチャンスをもらったと思っています。
 その物件には小屋が付いていて、そこがhaathにぴったりだと思っているので、暮らしを整え、なるべく早くオープンさせたいと思っています。VANIのコレクションには、洋服は数枚、買い付けたものもありますが、それ以外は自分でデザインしたものをインドで作ってもらいました。アクセサリーもデザインして、それを自分の手で削って作っています。いまは専用の作業場がないので、食卓兼作業机になってしまっていますが(笑)、新しい場所ではそれぞれの作業場ができる予定なのでとても楽しみです。


リ・ミー エッセンスジェルを使った感想を聞かせてください

 安心できる素材で作られているのが、いいなと思いました。お風呂上りに塗ると、結局そのあとに子供を抱いたり、触られたりもするので、子供に自然と付いてしまうことになるし、私が塗っているものに興味を持って近づいてくるので、安心できないものは使えないんです。正直、産後はボディメンテナンスなんてとてもできる状態ではなく、化粧水が塗れたらラッキーなくらいの毎日を過ごしてきたので、今回改めて意識して体に塗ってあげる、顔に塗ってあげるという時間がすごく贅沢な時間に思えました。気持ちの良い時間です。
 ベタベタしないのもとても気持ち良いです。最初にモチッとするんですけど、すぐにサラサラになるのがうれしいです。それでいて翌日はいい感じにしっとりしているので、全部浸透してくれたんだなというのを感じました。元々肌は強かったんですけど、産後はちょっとピリッと感じる化粧品もあったりして、でもリ・ミーは感じません。いまは顔にはインドのアーユルヴェーダのクンクマディオイルを塗ってから、リ・ミーを使っています。今の季節は腕が出ているので、リ・ミーを使って、もっちり、しっとりした肌でいるのがとてもうれしく思えます。冬に使うのも楽しみですね。ふくらはぎなど足が乾燥するから、それを防げるのがうれしいです。


最後に、中山さんにとって美しさとは何ですか?

 難しいですね。美しさってなんだろうって改めて考えると、難しいですねというのが答えになってしまうくらい難しいです。私が思う美しいものって飾らない強さなのかなと。 
 人もイコールなんですけど、ここに引っ越してきて感じるのは、頑張っても勝てないものって自然が作りだしたものだなと思います。私が可愛いと思って作ったものより、蜘蛛の巣にかかる水滴の方が美しかったりするなと。葉っぱの上に落ちた雫だったり、自然が作り出す、誰が計算したでもないものに癒しを感じます。だから人間もきっと、自身が持っている力が、美しさなんだろうと思います。素のままの状態が綺麗だとは思うんですけど、受け入れる強さを持っている人というのが素敵だなと思うんです。

受け入れるというのは自分自身のことですか?相手のことですか?

 自分自身です。相手を受け入れるより、自分自身を受け入れることの方が難しいように思えて。産後、特にそうですけど、小じわが増えたとか、私なんて…とか、あ~今日もこれができなかったとか、落ち込むことが結構多かったんです。いまもそうですけど。それを受け入れることができて、ポジティブな力に変えることができる人。もしかしたら対相手、対環境だったりもそうかもしれないんですけど、そういういろんなものを受け入れてポジティブな力に変えることができる人というのが最高に美しい人かなと思います。
 以前はしなやかな外観や、バランスのいい外見を「美しい」の言葉で表現していたように思います。でも、いまはもっと素朴な飾らない美しさに惹かれています。おばあちゃんになるのが楽しみになってきたというのはここ最近です。「笑いジワ、結構!」そういう美しさを自分の中で認められるようになってきました。楽しみでしょうがないです。パワフルでいろんなことができるおばあちゃんになりたいと思います。笑いジワでいっぱいになりながら、いろんなことを若い人とも共有できるようになりたいと思っています。かっこいいですよね。そういう強さが美しさだと思うし、目指したいところです。変わっていく様々な環境を都度受け入れて、それをポジティブなエネルギーに変えることができる人を美しいと思えるし、そういう人でいたいなと思います。


Profile:

中山 佳奈 Kana Nakayama
VANI デザイナー

インド旅の中で出会ったyoga
その叡智を知れば知るほど、自分の中にあった恐れや、悩みが晴れていきました。
yogaや瞑想をもっと身近に感じてもらえるきっかけを…
という想いで生まれたVANIのコレクション
天然石やルドラクシャ、
旅で見つけたよりナチュラルで心地よいものを使って、お守りのように身に付けていただけるアクセサリーを一点ずつ手で作っています。
2019年4月 出産をし、現在育児中。
子育てを通してどのようにyogaを活かせるようにするか…が、日々のテーマです。
2012 Sivananda yoga TTC200終了
2018 Sivananda yoga vidya peetham ATTC500終了

VANI:https://marchevani.thebase.in/
Facebook:https://www.facebook.com/vaniformeditate/
Instagram:https://www.instagram.com/fromvani/
haath:https://www.instagram.com/haath__/

インタビュー後記

 インタビューに伺ったのは6月で梅雨入りしていましたが、この日は快晴で、空は青く、まわりの山々は緑が鮮やかな本当に気持ちの良い場所でした。アトリエhaathはもう何年もの間、その場所にあったかのように自然に溶け込んでひっそりと佇んでいました。本当に静かな場所で時々、鳥のさえずりが聞こえてくるくらい。きっと夏はセミの鳴き声がすごいんだろうな、秋には鈴虫かな?と想像するだけで楽しくなります。
 穏やかで柔らかな雰囲気の佳奈さんですが、お話を伺っていると、奥にある芯の強さをとても感じました。「女性だから、男性だから…」という固定観念がなく、家事の分担もするけれど、「もし何かがあったら、私は彼を担いで助ける…くらいの気持ちでいます」という清さが、とても素敵に思いました。
 アクセサリーはひとつひとつを手作業された作品で、そしてどれもが繊細で、身につける側も大事にしたいと思えるものばかりです。コロナが落ち着いたら、イベント出店も増えていくことになるとのこと。ぜひ直接、作品たちをご覧いただける機会が増えることを願います。